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対応材質・加工能力
PA (MCナイロン™、6ナイロン、66ナイロン)
PA6(ポリアミド6)は、5大エンプラの一つに数えられる結晶性のエンジニアリングプラスチックです。優れた機械的強度、耐摩耗性、耐薬品性を持ち、ギアやベアリングなどの機械部品、各種摺動部品に幅広く利用されています。
切削加工では、丸棒・板材・パイプ材などの素材として供給され、中でも代表的なものが「MCナイロン」です。MCナイロンは型内でモノマーを直接重合させる注型(モノマーキャスト)ナイロンで、押出材に比べて強度・耐摩耗性・寸法安定性に優れ、大径・厚肉素材にも対応できるため、精密な切削部品に広く採用されています。
優れた機械的強度と剛性
高い引張強度、曲げ強度、耐衝撃性を持ち、負荷がかかる環境でも優れた耐久性を発揮します。特にMCナイロン(注型材)は結晶化度が高く、押出材よりも強度・剛性・寸法安定性に優れます。剛性をさらに高めたい場合はガラス繊維入りグレードもありますが、フィラー入り材は工具摩耗が大きくなるため、切削では工具材質や加工条件の選定に注意が必要です。
優れた耐摩耗性と摺動特性
低い摩擦係数と優れた耐摩耗性、自己潤滑性を持ち、金属の代替として、ギア、ベアリング、ローラー、スライドレールなどの摺動部品に適しています。二硫化モリブデン(MoS₂)やオイルを配合したグレードを選定することで、摩擦・摩耗をさらに低減でき、無給油での使用や低騒音化にも寄与します。
耐熱性に注意
PA6の連続使用温度は約80〜100°Cで、耐熱安定化グレード(MC901など)では100°Cを超えるものもあります(融点は約220〜230°C)。より高い耐熱性が求められる場合は、PA66やMXD6、PPSなどと比較検討されるのが一般的です。
耐薬品性に注意
油脂、燃料、アルカリ性物質などに対して良好な耐性を持ちますが、強酸や一部の溶剤には影響を受ける可能性があります。特に高温環境下での耐薬品性には注意が必要です。使用環境で接触する薬品に応じた材質選定を行うことが重要です。
吸湿性と寸法安定性に注意
PAは吸湿性が高く、水分を吸収すると寸法が変化しやすく、機械的強度も低下することがあります。切削加工では、この吸湿による寸法変化が加工精度へ直接影響するため特に重要です。素材の含水状態や使用環境の湿度を考慮した公差設定を行い、必要に応じて調湿(コンディショニング)を実施することで、高精度な仕上がりを実現します。
残留応力と反りの発生懸念
樹脂素材の内部には製造時の残留応力があり、非対称な形状や厚板からの削り出しでは、加工後に反りや変形が生じることがあります。荒加工と仕上げ加工を工程分割する、加工前後にアニール(応力除去)を行うなどの対策により、変形を抑えた高精度な切削部品の製作が可能です。
切削加工性は良好
PAは切削性が良好で、優れた面粗さと精密な形状加工が可能です。一方で熱伝導率が低く加工熱がこもりやすいため、切れ味の良い工具の使用、適切な切削条件、切りくずの円滑な排出により発熱を抑えて精度を確保します。またMCナイロンはグレードが豊富で、標準グレード(MC901など)、低摩擦・摺動用グレード、導電グレードなどがあり、用途に応じた最適な素材選定と加工提案が可能です。
PA (MCナイロン™、6ナイロン、66ナイロン)の対応グレード
帯電防止グレード
導電グレード
摺動グレード
耐候グレード
高強度・耐熱グレード
ノンカーボン帯電防止グレード
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