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成形不良射出成形の不良対策完全ガイド|10種類の原因と対策を解説!
射出成形では「ヒケ」「バリ」「ウェルドライン」など、さまざまな成形不良が発生します。これらの不良は外観だけでなく、機能性・寸法精度・歩留まりに大きな影響を及ぼし、最悪の場合は製品リコールにつながります。
この記事では、創業60年・受託成形実績多数の株式会社ヤマデンが、射出成形の代表的な10種類の成形不良について、発生メカニズム・原因・具体的な対策方法を現場目線で徹底解説します。設計者・購買担当者・成形オペレーターが現場で困った時の即戦力リファレンスとして活用できます。
1. 射出成形不良が起きる3つの根本要因
射出成形不良は突然発生するものではなく、必ず原因があります。原因は大きく3つに分類できます。
| 要因 | 具体例 |
| 樹脂(材料) | 乾燥不足、ロット間ばらつき、再生材混入、保管不良 |
| 金型 | ガス抜き不足、冷却バランス不良、摩耗、ゲート位置不適切 |
| 成形条件 | 温度・圧力・速度・時間の設定ミス、変動要因への未対応 |
不良発生時には、この3要因のどこに原因があるかを切り分けて対策を進めることが重要です。「金型が悪い」と決めつけて修正に走るのではなく、樹脂と成形条件から疑うのがセオリーです。
2. ヒケ(シンクマーク)の原因と対策
2-1. ヒケとは
ヒケは、成形品の表面が部分的にくぼむ不良です。特に肉厚が厚い部分やリブ・ボスの裏側に発生しやすく、外観品質を大きく損ないます。
2-2. 発生メカニズム
樹脂は冷却時に体積収縮しますが、表面が先に固化して内部の収縮を表面に引き寄せることで、表面がへこみます。肉厚が均一でないと、厚い部分が冷えるのに時間がかかり、ヒケが集中して発生します。
2-3. 対策
- 保圧を上げて収縮分の樹脂を補充する
- 保圧時間を延長してゲートシール時間と一致させる
- 金型温度を下げて表面を早く固化させる
- 射出圧力を上げて充填密度を高める
- 肉厚均一化(設計変更)、リブの根元を細く(肉厚比0.6以下)
- ゲート位置を肉厚部に変更する
3. ボイド(気泡)の原因と対策
3-1. ボイドとは
ボイドは成形品内部に発生する気泡で、肉厚が厚い部分の中心に発生しやすい不良です。外観では透明・半透明樹脂でしか確認できませんが、不透明樹脂でも強度低下の原因になります。
3-2. 発生メカニズム
内部の樹脂が冷却収縮した時、外側がすでに固化していて樹脂が補充されないと、内部に真空状態の空洞ができます。
3-3. 対策
- 保圧UP・保圧時間延長
- 樹脂温度を適正範囲内で下げる(収縮量を抑える)
- 肉厚を薄くする(設計変更)
- 乾燥強化(水分による気泡の場合)
4. そり・変形の原因と対策
4-1. そりとは
そりは成形品が金型から取り出された後に変形する不良です。平板状の成形品では特に目立ちます。
4-2. 発生メカニズム
成形品内に残留応力があると、時間経過とともに応力が解放されて変形が進みます。残留応力は次の原因で発生します。
- 冷却の不均一(金型温度の偏り)
- ガラス繊維強化樹脂の繊維配向
- 肉厚不均一による収縮差
- ゲート位置の偏り
4-3. 対策
- 金型温度を均一化(冷却回路の見直し)
- 冷却時間を延長(残留応力低減)
- ゲート位置・ゲート数の最適化
- アニール処理(後熱処理)で残留応力除去
- 製品設計で肉厚均一化
5. バリの原因と対策
5-1. バリとは
バリは金型のパーティング面(合わせ面)や入れ子の隙間から樹脂がはみ出して、薄い樹脂のヒレが付着する不良です。
5-2. 発生メカニズム
- 型締め力が射出圧力に負けて金型が開く
- 金型合わせ面の摩耗・キズ
- 射出圧力・保圧の過大
- 樹脂温度が高すぎて流動性が高すぎる
5-3. 対策
- 型締め力を上げる(必要トン数を再計算)
- 射出圧力・保圧を下げる
- 金型合わせ面の摩耗確認・修理
- 樹脂温度を下げる(粘度を上げる)
6. ショートショット(充填不足)の原因と対策
6-1. ショートショットとは
ショートショットは、金型キャビティの末端まで樹脂が到達せず、成形品の一部が欠けてしまう不良です。
6-2. 発生メカニズム
- 樹脂の流動性不足(樹脂温度・金型温度が低い)
- 射出圧力・速度の不足
- 射出量(計量)の不足
- ガス溜まりによる充填阻害
- ゲート・ランナーが細すぎる
6-3. 対策
- 樹脂温度UP(流動性向上)
- 金型温度UP(樹脂の固化遅延)
- 射出圧力・射出速度UP
- 計量位置を増やして射出量を確保
- ガス抜き構造を追加・改善
- ゲート径を拡大
7. ウェルドラインの原因と対策
7-1. ウェルドラインとは
ウェルドラインは、金型内で2方向から流れた樹脂が合流した跡が線状に残る不良です。穴やインサート部品の周りに必ず発生します。
7-2. 発生メカニズム
合流時に樹脂温度が下がっていると、完全に融合できずに線として残ります。
7-3. 対策
- 樹脂温度UP(合流部の温度維持)
- 金型温度UP(合流部の固化遅延)
- 射出速度UP(合流前に樹脂が冷えるのを防ぐ)
- ガス抜き改善(合流部のエア排除)
- ゲート位置を変更して合流位置を見えない箇所に移動
- ウェルド受け(オーバーフロー)を金型に追加
8. ジェッティングの原因と対策
8-1. ジェッティングとは
ジェッティングは、ゲートから射出された樹脂が蛇行状の筋となって表面に残る不良です。
8-2. 発生メカニズム
ゲートが小さすぎる、または射出速度が速すぎることで、樹脂が金型壁面に当たる前に冷えて固化し、後から続く樹脂と完全には融合しないまま残ります。
8-3. 対策
- 射出速度を下げる(特に初期速度)
- ゲート径を拡大する
- ゲート位置を変更(樹脂が壁に当たるよう設計)
- 樹脂温度・金型温度UP
- 多段射出(初期低速→中速)
9. シルバーストリーク(銀条)の原因と対策
9-1. シルバーストリークとは
シルバーストリークは、成形品表面に銀色や白色の筋が現れる不良です。気泡や水分による光の散乱が原因です。
9-2. 発生メカニズム
- 樹脂の乾燥不足による水分蒸発
- 樹脂の熱分解によるガス発生
- 再生材・離型剤の混入
9-3. 対策
- 乾燥強化(樹脂メーカー推奨条件で予備乾燥)
- 樹脂温度を下げる(熱分解防止)
- 背圧を上げる(ガス排出促進)
- シリンダー内の滞留時間を短縮
10. ヤケ(焦げ・バーンマーク)の原因と対策
10-1. ヤケとは
ヤケは、成形品末端や肉厚薄部に黒色〜茶色の変色が出る不良です。樹脂が高温で分解した結果です。
10-2. 発生メカニズム
充填末端でガスが圧縮されて高温になり、樹脂を焼くことで発生します。「ガスの逃げ場がない」のが根本原因です。
10-3. 対策
- 射出速度を下げる(ガス圧縮を緩和)
- ガス抜き構造を追加・改善(最重要)
- 樹脂温度を下げる
- ベント機構の清掃
11. フローマークの原因と対策
11-1. フローマークとは
フローマークは、成形品表面に波状・縞状の模様が現れる不良です。
11-2. 発生メカニズム
樹脂の温度が低く粘度が高い状態で金型表面に接触すると、波状に流動した跡が残ります。
11-3. 対策
- 樹脂温度UP
- 金型温度UP
- 射出速度UP
- ゲート径拡大
12. 黒点・異物混入の原因と対策
12-1. 黒点とは
黒点は、成形品に微小な黒い斑点が混入する不良です。
12-2. 発生メカニズム
- 樹脂の熱分解物(シリンダー内の滞留)
- 外部からの異物混入(ホッパー・搬送経路)
- 前ロット樹脂の残留(樹脂交換時)
12-3. 対策
- シリンダー・スクリューの清掃(パージ材使用)
- 樹脂温度を下げて熱分解を抑制
- ホッパー周辺の異物対策(カバー設置・清掃)
- 樹脂交換時の十分なパージ
13. 設計段階で不良を未然に防ぐ7つの視点
成形不良の多くは、製品設計の段階で予防できます。設計者がチェックすべき7つのポイントです。
| チェック項目 | 防げる不良 |
| 肉厚を均一化する(厚さ比0.6以下) | ヒケ、そり、ボイド、ショートショット |
| 抜き勾配0.5°以上を確保 | 離型不良、白化 |
| コーナーには適切なRをつける | 応力集中、ひび割れ |
| ゲート位置は肉厚部に配置 | ヒケ、フローマーク |
| ガス抜きパスを設計に組み込む | ヤケ、ショートショット、ウェルドライン |
| リブの根元を細く(肉厚比0.5〜0.6) | ヒケ |
| ウェルドラインの発生位置を予測 | 外観不良 |
14. ヤマデンの不良防止体制
ヤマデンでは、創業60年の経験で蓄積した不良対策ノウハウをもとに、次の体制で品質を確保しています。
- 成形前のテストショット段階で条件最適化
- 材料特性を熟知した担当者による樹脂選定
- 金型設計・修正への自社対応
- CAE流動解析による事前予測
- 検査工程での全数チェック体制
| ヤマデンの強みは「金型設計から成形・後工程まで一貫」 不良が出た時、金型・材料・成形条件のどこに原因があるかを切り分け、最短ルートで対策できる体制です。設計段階からの相談で「不良が出ない金型」を実現します。 |
| 射出成形・プラスチック加工のご相談はヤマデンへ 「図面はあるが成形業者が見つからない」「試作1個だけで申し訳ない」「材料選びから相談したい」──どんな段階のご相談でも無料でお受けします。 TEL:042-682-2811(受付 9:00〜17:30、土日祝除く) 無料見積もり・お問い合わせ:https://yamaden-ltd.co.jp/form/estimate/ |
15. よくある質問(FAQ)
Q1. 既存の量産品で不良が増えてきました。原因切り分けの相談はできますか?
はい、他社で成形中の製品の不良切り分けや改善提案も承っています。成形条件のレビューから金型修正案までトータルでご相談ください。
Q2. ヒケと寸法精度を両立させたいです。
ヒケ対策の保圧UPは寸法を変える可能性があります。両立のためには金型温度・冷却時間・保圧バランスの最適点を実機トライで探る必要があります。ヤマデンでは寸法と外観の両立実績が多数あります。
Q3. 設計段階で相談すれば不良を減らせますか?
はい、設計段階での金型構造・ゲート位置・肉厚見直しが最も効果的です。図面段階での無料相談を承っています。
Q4. 透明樹脂の不良が多いです。特別な対策は?
透明樹脂(PMMA・PC・PET)は微小な気泡・フローマークも目立つため、乾燥・成形条件の管理レベルを通常の2倍程度に上げる必要があります。
まとめ
射出成形の不良対策は、樹脂・金型・成形条件の3要因を切り分けて、優先順位の高いパラメータから調整することが基本です。発生メカニズムを理解せず闇雲に条件を動かすと、新たな不良を呼ぶリスクがあります。
ヤマデンでは創業60年で蓄積した不良対策ノウハウで、お客様の成形品質改善を全力でサポートします。不良対策・量産前のレビュー・受託成形のご相談、すべて無料でお受けします。