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基礎知識成形不良射出成形とは|仕組み・工程・材料を発注担当者向けに徹底解説!
「射出成形で部品を作りたいが、どこに頼めばいいかわからない」「試作1個から相談していいのか不安」「材料選びで迷っている」──こうした声を持つ購買・設計担当者に向けて、この記事では射出成形の基礎知識から発注前に知っておくべき実務情報まで、創業60年・受託成形実績多数のヤマデンがわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- 射出成形の原理と、他の成形方法との違い
- 成形工程を8ステップで解説(初心者でも理解できる)
- 成形機の種類・型締め力の選び方
- 樹脂材料(エンプラ・スーパーエンプラ・汎用)の選定ポイント
- よくある成形不良と防止策
- ヤマデンの射出成形サービスの強み
射出成形とは
1-1. 射出成形の定義
射出成形(Injection Molding/インジェクション成形)とは、加熱して溶融させた樹脂(プラスチック)を、専用の金型に高圧で「射出(インジェクション)」し、冷却・固化させることで成形品を得る加工法です。
名前の由来は「注射器で液体を射出する動作」に由来しており、溶けた樹脂を注射器のようなシリンダーで金型に押し込むイメージです。
射出成形の3つの基本動作
- 溶かす:樹脂ペレットを200〜300℃に加熱し、流動性を与える
- 成形する:溶融樹脂を高圧で金型に充填し、形を作る
- 固める:金型内で冷却し、取り出して完成
1-2. 射出成形の適用範囲
私たちの身の回りにあるプラスチック製品の大半は、この射出成形で製造されています。
| 分野 | 射出成形が使われている部品例 |
| 自動車 | 外装・内装パネル、バンパー、エンジンカバー、コネクタ |
| 電子・電気機器 | スマートフォンケース、OA機器筐体、コネクタ、スイッチ |
| 医療 | 注射器、医療機器部品、診断チップ |
| 産業機械 | ギア、軸受け、ハウジング、バルブ |
| 日用品 | 食品容器、玩具、文房具、家電ケース |
1-3. 射出成形と他のプラスチック成形法との比較
射出成形は数あるプラスチック成形法の中でも最もシェアが高い工法です。他の成形法と比較することで、射出成形の特徴が理解しやすくなります。
| 成形方法 | 仕組み | 主な用途 | 射出成形との違い |
| 射出成形 | 溶融樹脂を金型に高圧射出 | あらゆる形状の部品 | 複雑形状・量産に最適。本記事のテーマ |
| 押出成形 | 溶融樹脂を連続して押し出す | パイプ・シート・フィルム | 長尺品に向く。複雑な3D形状は不可 |
| ブロー成形 | 溶融チューブに空気を吹き込む | ボトル・タンク等中空品 | 中空形状専用。金型費は射出より安い |
| 真空成形 | シートを加熱し真空吸引 | パッケージ・トレー | シート素材に限定。形状自由度は低い |
| 圧縮成形 | 金型に樹脂を入れて加圧 | 熱硬化性樹脂部品 | 熱硬化性樹脂に向く。サイクルが遅い |
射出成形の仕組みと工程
2-1. 射出成形機の構造
射出成形機は大きく「射出装置」と「型締め装置」の2つで構成されます。
| 装置 | 役割 | 主な構成部品 |
| 射出装置 | 樹脂を溶かして金型に押し込む(注射器の役割) | ホッパー、シリンダー、スクリュー、ヒーター、ノズル |
| 型締め装置 | 金型を開閉・締め付ける | 固定盤、可動盤、ガイドピン、エジェクターピン |
樹脂はホッパーからシリンダーへ投入されます。シリンダー内部ではスクリューが回転しながら樹脂をノズル側へ搬送し、その過程でヒーターの熱によって徐々に溶融します。溶融した樹脂はノズルから金型内のスプルー(注入口)→ランナー(流路)→ゲート(成形部入口)を通って、キャビティ(製品形状の空間)に充填されます。
2-2. 射出成形の工程(8ステップ)
射出成形の1サイクルは、以下の8工程で構成されます。通常1サイクルあたり30〜50秒程度です。
| 工程 | 名称 | 内容 | 品質への影響 |
| ① | 型閉じ・型締め | 可動側金型を閉じ、型締め装置で強く固定する | 型締め力が不足するとバリ発生の原因に |
| ② | ノズルタッチ | 射出シリンダーのノズルを金型のスプルーに押し付ける | 接触不良は樹脂漏れの原因 |
| ③ | 射出 | 溶融樹脂を速度・圧力を調整しながら金型に充填 | 充填速度が速すぎるとジェッティング・バーンマーク |
| ④ | 保圧 | 充填後、一定圧力をかけながら収縮分の樹脂を補充 | 保圧不足はひけ・寸法不良の原因 |
| ⑤ | 冷却 | 金型内の水路で樹脂を冷却・固化させる | 冷却時間が短すぎると変形・そりが発生 |
| ⑥ | 可塑化 | 次ショット分の樹脂を溶融・計量しておく | 冷却と並行して行うことでサイクル短縮 |
| ⑦ | 型開き | 可動側金型を後退させ、金型を開く | 開き速度は成形品の形状による |
| ⑧ | 取り出し | エジェクターピンで成形品を押し出して取り出す | 抜き勾配不足は成形品破損の原因 |
3. 射出成形機の種類
3-1. 駆動方式による分類
射出成形機は駆動方式によって3種類に分けられ、それぞれ特性が異なります。
| 種類 | 仕組み | 特徴 |
| 電動式 | サーボモーターで射出・型締めを制御 | 精度・再現性に優れる。省エネ。近年主流 |
| 油圧式 | 油圧モーターで作動 | 射出力が大きく、大型成形に向く |
| ハイブリッド式 | サーボ+油圧の組み合わせ | 両者のメリットを組み合わせた高性能機 |
3-2. 型締め力(トン数)による分類
型締め力は成形品のサイズと成形圧力によって必要トン数が決まります。発注時の目安として覚えておくと便利です。
| 型締め力 | 対応製品サイズの目安 | 用途例 | ヤマデン保有 |
| 〜75t(小型) | 名刺〜手のひらサイズ | コネクタ、精密小部品 | 〇 |
| 130〜220t(中型) | 手のひら〜A4サイズ | OA機器部品、自動車内装部品 | 〇 |
| 350〜550t(大型) | 最大500×500mm程度 | 外装パネル、大型ハウジング | 〇(最大550t) |
ヤマデンの成形機ラインナップ
30t〜550tの成形機を計9台保有(東芝機械・住友機械・日本製鋼所)。小型精密部品から最大500×500mmの大型成形品まで、社内で一貫対応できます。550tを超えるサイズは協力会社ネットワークで対応。
3-3. 成形機の形状(竪型・横型)
| 種類 | 特徴 | 適した用途 |
| 横型(水平)成形機 | 最も一般的。金型交換・メンテナンスがしやすく汎用性が高い | 量産・多品種対応 |
| 竪型成形機 | 金型が垂直方向に開閉。インサート部品の固定が安定しやすい | インサート成形・インサートの多い部品 |
4. 射出成形に使われる樹脂材料
成形品の性能は「材料選定」で大部分が決まります。材料を誤ると、成形後に強度・耐熱・耐薬品性が不足して部品が機能しなくなります。ヤマデンでは材料特性を熟知した担当者が最適な素材をご提案します。
4-1. エンジニアリングプラスチック(エンプラ)
耐熱温度100℃以上・引張強さ50MPa以上の性能を持ち、機械部品・電子部品に広く使われます。
- PA66・PA6(ナイロン) :耐衝撃・耐薬品性。ギア、コンベア部品、自動車部品
- POM(ポリアセタール) :耐摩耗・摺動性に優れる。歯車、軸受、食品機械部品
- PC(ポリカーボネート) :透明性・耐衝撃性。レンズ、光学部品、電子機器筐体
- PBT :耐熱・電気絶縁性。コネクタ、自動車部品
4-2. スーパーエンジニアリングプラスチック(スーパーエンプラ)
耐熱温度150℃以上の高機能樹脂。宇宙・航空・医療・半導体分野で採用されます。
- PEEK:耐熱・高機械強度・耐放射線性。宇宙・航空部品、半導体装置
- PTFE:耐薬品・低摩擦・非粘着性。撥水材、離型材
- PPS:耐熱・難燃性。自動車・半導体関連部品
- PEI・PSF・PES・PAI・LCP・PIなども対応
4-3. 汎用プラスチック
コストバランスに優れ、日用品から工業品まで幅広く使われます。
- PP(ポリプロピレン):軽量・耐薬品性・食品衛生性。容器、自動車部品、医療用品
- PVC(ポリ塩化ビニル):電気絶縁・耐候性。電線、建材、パイプ
- PMMA(アクリル):透過率・耐候性。光学部品、ディスプレイ、レンズ
- PET:耐熱・透明性。ボトル、電装部品
- ABS・PS・PE など
4-4. 熱硬化性樹脂
一度加熱硬化すると再溶融しない樹脂。耐熱性・絶縁性に優れ、エンジン周辺・大型電気機器部品に使われます。
- SI(シリコン樹脂):耐熱・電気絶縁性。航空機部品、医療機器
- EP(エポキシ樹脂):IC封入材、プリント基板
- PF・MF・UP・PURなど
5. 射出成形の費用構造
射出成形のコストは「金型費(イニシャルコスト)」と「成形加工費(ランニングコスト)」の2層構造です。発注前にこの構造を理解しておくと、見積もりの比較がしやすくなります。
5-1. 金型費(イニシャルコスト)
射出成形では、製品形状ごとに専用の金型を製作します。この金型費が初期投資として発生します。
| 製品サイズ・難易度 | 金型費の目安 | 備考 |
| 小型・シンプル形状 | 数十万〜100万円程度 | スライドなし・標準公差 |
| 中型・標準 | 100〜300万円程度 | アンダーカット処理あり |
| 大型・複雑形状 | 300万円以上 | 多キャビティ・精密公差・スライドコア多数 |
金型は消耗品ではなく、適切にメンテナンスすれば100万ショット以上の使用が可能です。つまり量産ロットが大きいほど1個あたりの金型費は安くなります。
5-2. 成形加工費(ランニングコスト)
成形加工費は「樹脂材料費+成形機稼働費+人件費+後工程費」で構成されます。ロット数が増えるほど1個あたりのコストは下がります。
5-3. 試作・小ロットの場合のコスト戦略
試作段階で数十万円の金型費をかけたくない場合は、「プラスチック切削加工」が有効な代替手段です。
| 射出成形 | プラスチック切削加工 | |
| 最小ロット | 10個〜(ヤマデン) | 1個〜(ヤマデン) |
| 金型費 | 必要(数十万〜) | 不要 |
| 形状の自由度 | 金型設計に依存 | 高い(3D CADデータがあれば対応可) |
| 量産コスト | ◎(ロット増で単価大幅低減) | △(ロット増でも単価変動小) |
| 向いている用途 | 量産・同形状の繰り返し製造 | 試作・単品・少量・金型費を抑えたい場合 |
| ヤマデンの提案:段階的な生産移行 「まず切削で試作 → 形状確定後に金型製作 → 射出成形で量産」という段階的アプローチが可能です。設計から一貫対応できるため、業者を都度変更する手間がありません。 |
6. 射出成形でよくある不良と対策
射出成形は金型・材料・成形条件の3要素が複雑に絡み合うため、不良が発生しやすい工程でもあります。主な不良とその原因を理解しておくことで、発注先との品質協議がスムーズになります。
| 不良名 | 外観・症状 | 主な原因 | 対策の方向性 |
| ひけ(シンク) | 表面が凹む | 肉厚の偏り、保圧不足、冷却不均一 | 保圧アップ、ゲート位置変更、肉厚均一化 |
| そり・変形 | 成形品が曲がる | 冷却の不均一、残留応力、素材収縮率 | 冷却回路設計見直し、素材・ゲート変更 |
| バリ | 分割面に薄い樹脂がはみ出る | 型締め力不足、金型合わせ面の摩耗 | 型締め力増加、金型修正 |
| ショートショット | 樹脂が末端まで充填されない | 射出量・圧力不足、樹脂温度低下 | 射出条件見直し、ゲート拡大 |
| ウェルドライン | 2方向から合流した跡が線状に残る | ゲート位置、樹脂温度、流動バランス | ゲート位置変更、成形条件調整 |
| ジェッティング | 蛇行状の筋が残る | ゲートが小さすぎる、射出速度が速い | ゲート拡大、射出速度低下 |
| ヤマデンでは不良率を最小化するために 材料特性に応じた成形条件を60年の実績から設定成形前の試作(テストショット)で条件を最適化切削加工部門と連携した金型設計・修正対応 |
7. ヤマデンの射出成形サービス|5つの強み
強み① 小ロット10個〜・試作1個〜に対応
射出成形は10個から、プラスチック切削加工は1個から受け付けています。「まず試作してから量産を検討したい」というご要望に段階的に対応できます。量産から多品種少量まで、柔軟なロット対応が可能です。
強み② 30t〜550tの成形機を9台完備
小型精密部品(30t〜)から最大500×500mmの大型部品(550t)まで、社内で一貫対応します。機械の稼働スケジュールを社内調整できるため、急ぎ案件にも対応しやすい体制です。
強み③ 最短当日出荷・1営業日以内の見積もり回答
お問い合わせから1営業日以内に見積もりを提出します。急な部品調達・試作スケジュールが迫っている場合もお気軽にご相談ください。
強み④ 後工程を一括対応(PAD印刷・塗装・インサート成形・組立)
成形後のPAD印刷・シルク印刷・塗装・インサート成形・組立まで、工程を社内または提携先で一括管理します。複数業者への発注分散による品質管理の手間を削減できます。
強み⑤ 設計・切削・成形・電子組立の4部門が連携
設計部門・切削加工部門・射出成形部門・電子装置組立部門が同一グループ内で連携しているため、「設計段階からの相談」「試作は切削→量産は成形」「基板組み込みまで一括」といった複合的な依頼にも対応できます。
| 射出成形の受託加工はヤマデンへ 「図面はあるが成形業者が見つからない」「試作1個だけで申し訳ない」「材料選びから相談したい」──どんな段階のご相談でも無料でお受けします。 TEL:042-682-2811(受付 9:00〜17:30、土日祝除く) 無料見積もり・お問い合わせ:https://yamaden-ltd.co.jp/form/estimate/ |
8. よくある質問(FAQ)
Q1. 射出成形と樹脂成形、プラスチック成形の違いは?
「樹脂成形」が最も広い概念(あらゆる樹脂の成形全般)、「プラスチック成形」はプラスチック素材に限定した成形全般、「射出成形」はプラスチック成形の中で最もシェアが高い加工手法です。インターネット検索では3つの用語はほぼ同義で使われることが多く、どのキーワードで検索してもたどり着くサービス内容は共通しています。
Q2. 試作1個から相談できますか?
プラスチック切削加工であれば1個から承っています。射出成形は金型が必要なため最小10個からとなりますが、「まず切削で試作、形状確定後に射出成形で量産」という流れでご対応可能です。まずはご相談ください。
Q3. 対応できない素材はありますか?
エンプラ・スーパーエンプラ・汎用プラスチック・熱硬化性樹脂まで幅広く対応しています。PEEK・POM・PTFE・PMMA・PPS・PEI・LCPなどの特殊素材も対応実績があります。確保が難しい海外製素材の調達も可能です。対応可否が不明な場合はお問い合わせください。
Q4. 金型の製作もヤマデンで対応できますか?
金型設計・製作は提携の金型メーカーと連携して対応しています。成形品の設計段階からご相談いただければ、量産を見越した金型設計のご提案も可能です。
Q5. 納期はどのくらいですか?
成形品の内容によりますが、最短当日出荷に対応しています。お問い合わせから1営業日以内に見積もりと納期の目安をご回答します。急ぎの案件はその旨をお伝えください。
Q6. 成形品の後処理(印刷・塗装)も頼めますか?
PAD印刷・シルク印刷・塗装・インサート成形・組立まで、後工程を一括してお任せいただけます。複数業者への発注分散が不要になるため、品質管理・コスト管理の手間を大幅に削減できます。
まとめ|射出成形で部品調達をするなら発注前に確認すること
この記事で解説した内容を発注前のチェックリストとして整理します。
| 確認項目 | ポイント |
| ①成形工法の選択 | 射出成形か切削加工か。ロット数・形状・コストで判断 |
| ②材料選定 | 使用環境(耐熱・耐薬品・摺動)に合った樹脂を選ぶ |
| ③必要ロット数 | 試作(〜数十個)か量産かによって金型製作要否が変わる |
| ④成形機サイズ | 製品サイズに対応した型締め力の機械を保有しているか確認 |
| ⑤後工程 | 印刷・塗装・組立まで一括依頼できるか確認 |
| ⑥納期・対応スピード | 見積もり回答速度・最短出荷日を確認 |
ヤマデンはこれらすべての項目で柔軟に対応できる受託成形メーカーです。「まず相談だけ」でも歓迎します。創業60年・東京八王子拠点・国内4工場のネットワークで、皆さまの部品調達を全力でサポートします。