processing
対応材質・加工能力
PC
PC(ポリカーボネート)は、透明性と耐衝撃性を高いレベルで両立した非結晶性のエンジニアリングプラスチックです。プラスチックの中でも際立って優れた耐衝撃性を持ち、良好な耐熱性・寸法安定性・電気絶縁性を兼ね備えることから、光学部品・レンズ、電気電子機器の筐体、車両部品、保護カバー・安全部材、医療機器まで幅広く利用されています。
射出成形では、PCは透明部品から構造部品まで幅広い成形品を高精度に量産でき、特に透明性を活かしたレンズ・カバー・導光部品などの光学用途で中心的な役割を担います。耐衝撃性に優れるため薄肉でも割れにくく、ガラス繊維強化グレードや難燃グレード、耐候グレード、PC/ABSアロイなど豊富なグレードから用途に応じた選定が可能です。一方で溶融粘度が高く吸湿性もあるため、成形条件の管理が品質を左右する材料でもあります。
1. 極めて優れた耐衝撃性
あらゆるプラスチックの中でも最高レベルの耐衝撃性を持ち、割れにくく丈夫であるため、保護カバー、安全部材、機器筐体などに適しています。低温環境でも耐衝撃性を保ちやすく、衝撃や落下が想定される用途に広く採用されています。
2. 優れた透明性・光学特性
ガラスに匹敵する高い透明性(全光線透過率約90%)を持ち、着色性にも優れるため、レンズ、カバー、導光板、ディスプレイ部品などの光学用途に適しています。ただし複屈折(光学ひずみ)が生じやすいため、精密光学部品では成形条件・ゲート設計による残留応力・配向の低減が重要になります。
3. 優れた耐熱性
連続使用温度は約120〜130°Cと、汎用樹脂やABSに比べて高い耐熱性を持ちます。荷重たわみ温度も高く、耐熱性が求められる筐体や機構部品にも対応できます。より高い耐熱性が求められる場合は、耐熱グレードやPPS・PEIなどとの比較検討が行われます。
4. 優れた寸法安定性と電気絶縁性
非結晶性樹脂のため成形収縮率が小さく(おおむね0.5〜0.7%程度)、吸水による寸法変化も比較的小さいため、寸法安定性に優れ高精度な成形に適しています。また良好な電気絶縁性を持ち、電気電子部品や絶縁部材にも用いられます。剛性をさらに高めたい場合はガラス繊維強化グレードが有効です。
5. 耐薬品性・耐ソルベントクラックに注意
PCは耐薬品性が高くなく、アルカリ、アミン類、一部の有機溶剤(芳香族・ハロゲン系溶剤など)に侵されやすい点に注意が必要です。特に残留応力がある状態で薬品・油分・接着剤などに触れると、ソルベントクラック(ケミカルクラック)が生じやすいため、接触薬品の確認とともに、成形条件・設計での残留応力低減、必要に応じたアニール処理が重要です。
6. 吸湿性と成形前乾燥に注意
PCは吸湿性があり、水分を含んだまま成形すると、高温の成形過程で加水分解を起こして分子量が低下し、強度・耐衝撃性の低下やシルバーストリーク・ボイドなどの不良を招きます。そのため成形前の十分な予備乾燥(一般に120°C前後で数時間)が必須です。適切に乾燥した材料を用いることが、PC本来の物性と外観を引き出す前提となります。
7. 成形性に注意
PCは溶融粘度が高く流動性がやや低いため、比較的高い樹脂温度・金型温度と十分な射出圧力が必要で、薄肉・長距離流動部品では充填やヒケに配慮した設計・条件設定が求められます。また残留応力が生じやすく、複屈折や強度低下、ソルベントクラックの原因となるため、ゲート設計や保圧・冷却条件の最適化、必要に応じたアニールによる応力除去が重要です。素材には標準グレードのほか、ガラス繊維強化グレード、難燃グレード、耐候(耐UV)グレード、光学グレード、医療グレード、PC/ABS・PC/PBTなどのアロイがあり、用途に応じた最適な材料選定と成形提案が可能です。
PCの対応グレード
S3100
TN7000A
TN3615Q
TN3811V
TN7500
TN7000
CD402
CV200
CV201
TA15W
TC-6F
IV2200R
IR2200
G1910
AZ2201V
GZ2520
RX1805
241R
FST9705
HPX4
FD9082I-2
301-30
CR3241-10G
PCX3655
LN2250Y
L1225L
LS2250
G3110PH
ML3500ZBL
L-1225L
L1225Z
LV2225Y
LS1250
LN2250
MN9225Z
L1225Y
S2001R
S2000R
S3000R
H3000R
EGN2010R2
S2000
EFR2150
DS3002R
GSH2020R2
EFT3200
KH3460UR
H4000
GS2030MKR
DS3110VUR