result
製品事例
食品搬送用ローラー
こちらはPOM(白)を使用した食品搬送用ローラーの切削加工事例です。本部品は外径Φ128mm、全長180mmのサイズで、マシニングセンターによる2.5D加工を駆使して製作されました。材質には、自己潤滑性に優れ、摩擦係数が低いため搬送部品に適したPOM(ポリアセタール)を選定しています。POMは吸水率が低く寸法安定性に優れる一方で、切削時の内部応力による変形が生じやすいため、高精度な位置関係が求められる本件では、加工プロセスの最適化が必要不可欠でした。
本事例における技術的難所は、ローラー外周部の歯形状と、軸受内径部のキー溝加工における「位相精度」の厳密な管理にありました。食品搬送ラインにおいては、複数のローラーが同期して回転するため、駆動を伝えるキー溝と搬送を担う歯形状の位置関係がわずかでもずれると、搬送物の蛇行や異音、あるいは部品の早期摩耗といった不具合に直結します。お客様からは、単一の寸法公差だけでなく、回転基準での相互の位置精度を維持することが強く求められていました。
この課題に対し、当社では専用治具を製作し、位置決めの再現性を極限まで高めるアプローチをとりました。まずマシニングセンターによる2.5D加工で外周の歯形状を高精度に削り出した後、その歯形状を基準に固定できる治具を用いてキー溝加工を行うことで、累積公差を最小限に抑えています。1/100mmから1/1000mm単位の精度が要求される部位に対しても、加工順序の最適化と治具による確実なクランプにより、設計意図に忠実な位相関係を実現しました。
今回の取り組みにより、既製品では対応困難な特殊形状と高精度な回転同期を両立させ、お客様の搬送ラインの安定稼働に貢献いたしました。POMのような汎用エンジニアリングプラスチックであっても、加工ノウハウと治具設計の組み合わせ次第で、複雑な位相管理を伴う精密部品の安定供給が可能です。同様の回転機構部品において精度不足や位置ズレにお悩みであれば、当社の高度な切削技術による解決をご提案いたします。