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製品事例
半導体製造装置用パレット
こちらは半導体製造装置に使用されるパレット形状部品の、成形量産を見据えた試作切削加工の事例です。
本事例で使用した材質は、エンジニアリングプラスチックの代表格であるポリアセタール(POM)の中でも、特に内部応力(残留応力)を低減させた「POM黒低歪みグレード」です。加工方法には大型のマシニングセンタを用いた精密な切削加工を採用いたしました。本案件は、将来的な金型による射出成形(量産)を前提としたプロトタイプ開発であり、成形前の段階で各部の寸法公差やピッチの適正さ、そして実機での動作確認を行うための重要な試作として製作を進めました。
面積が広く厚みが比較的薄いパレット形状の部品において、最大の技術的難所となるのが、切削時の熱や材料内部の応力解放によって生じる「歪み」および「ソリ」の発生です。一般的なPOM材は切削加工性と耐摩耗性に優れる反面、そのまま削り込んでいくとソリが発生しやすく、広範囲にわたる寸法ピッチや平面度の幾何公差を維持することが極めて困難になります。この課題に対し、弊社では素材自体のソリ特性が極めて優秀な「低歪みグレード」を選定した上で、表裏を交互に段階的に削り落とす「両面均等切削(バランスカット)」を適用いたしました。これにより、材料内部の残留応力のバランスを精密にコントロールし、広幅なパレット形状でありながらソリや歪みを極限まで抑え込み、厳しいピッチ公差と優れた平面度を完全にクリアいたしました。
量産化に向けた試作開発において、試作段階で切削による限界公差や形状の妥当性を検証しておくことは、将来的な金型設計の最適化や量産時の不良率低減に直結する大きなメリットとなります。ソリの発生予測が難しい薄肉・広幅のプラスチック部品であっても、最適な高機能材料の選定と応力解放を見据えたプロの加工ノウハウにより、量産へとスムーズに繋ぐ高精度な試作対応が可能です。