processing
対応材質・加工能力
ABS
ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)は、汎用プラスチックの中でも特にバランスに優れた非結晶性の熱可塑性樹脂です。アクリロニトリル(耐薬品性・剛性)、ブタジエン(耐衝撃性・靭性)、スチレン(成形性・光沢)の3成分からなり、それぞれの長所を兼ね備えることから、家電・OA機器の筐体、自動車内装部品、日用品、玩具まで極めて幅広く利用されています。
射出成形では、ABSは流動性・成形性・寸法安定性・二次加工性のいずれにも優れ、最も扱いやすい材料の一つとして大量生産に広く用いられます。複雑形状や薄肉部品を美しい外観で安定して量産でき、塗装・メッキ・印刷・接着といった二次加工との相性も良好です。そのため、外観品質が求められる筐体・意匠部品の射出成形において中心的な役割を担います。
1. 優れた耐衝撃性と靭性
ブタジエンゴム成分により優れた耐衝撃性・靭性を持ち、割れにくく丈夫であるため、筐体や構造部品に適しています。低温環境でも比較的良好な耐衝撃性を保ち、耐衝撃性を高めたハイインパクトグレードも選択できます。落下や衝突が想定される製品に広く採用されています。
2. 優れた成形性と寸法安定性
非結晶性樹脂のため成形収縮率が小さく(おおむね0.4〜0.7%程度)、反りやヒケが生じにくく、寸法安定性に優れます。流動性も良好で薄肉部や複雑形状への充填性が高く、高精度な部品を安定して量産できます。この扱いやすさが、ABSが射出成形材料として広く普及している大きな理由です。
3. 優れた外観品質と二次加工性
成形品の表面光沢が美しく、着色性にも優れるため、意匠性が求められる外観部品に適しています。さらに塗装・メッキ・印刷・ホットスタンプ・接着・溶着といった二次加工との相性が良く、メッキグレードを用いれば樹脂への金属メッキも可能です。外観と加飾自由度の高さは、ABSならではの強みです。
4. 耐熱性に注意
連続使用温度は約70〜80°Cと、エンプラに比べて低めです。高温環境では軟化・変形しやすいため、耐熱性が求められる用途では耐熱グレードや、ABSにポリカーボネートを配合したPC/ABSアロイなどとの比較検討が有効です。成形時にも樹脂温度・金型温度の適切な管理が必要です。
5. 耐候性・耐薬品性に注意
紫外線に対してやや弱く、屋外で長期間使用すると変色・劣化が生じやすいため、屋外用途では耐候(耐UV)グレードやASA樹脂への変更が検討されます。また耐薬品性は中程度で、ケトン類・エステル類・芳香族溶剤などには侵されやすいため、接触する薬品に応じた確認が必要です。加えて残留応力がある状態で薬品や油分に触れるとソルベントクラック(ケミカルクラック)が生じることがあり、成形条件や設計での応力低減に配慮が必要です。
6. 吸湿性と成形前乾燥に注意
ABSは吸湿性があり、水分を含んだまま成形するとシルバーストリークやフクレなどの外観不良、物性低下を招きます。そのため成形前の予備乾燥(一般に80°C前後で数時間)が重要です。適切に乾燥した材料を用いることで、美しい外観と安定した品質の成形品が得られます。
7. 成形性は良好
ABSは流動性・離型性・寸法安定性に優れ、非常に成形しやすい材料です。薄肉・複雑形状にも良好に充填し、外観品質の高い成形品が得られます。素材には標準グレードのほか、耐熱グレード、ハイインパクトグレード、難燃グレード、メッキグレード、耐候(ASA系)グレード、透明グレード、PC/ABSアロイなど非常に豊富なバリエーションがあり、用途に応じた最適な材料選定と成形提案が可能です。
ABSの対応グレード
NTV25
ABS-C-20
PA757
E10
EG506
SER20
VGR10
VGR30
VGR20
050SF
GR1000
GR3000
CL430
QF
GR2000
920-555U
834VX01
250X01
TP90X02
500-322U
700-314
900-555
884X01
100-322
920-555
GA501
1001
HF-3
EX120
GF20
EX130
TJ3G
EX19C
VW800
VW801
VW802
VW804
VP800
VD100
F5450W
F5330
F5452D1
330
130
F1384
F1350
SBT3
F5330NA
ZF5551Z1
CKF51G10
S3100
TN7000A
TN3615Q
TN3811V
TN7500
TN7000
CD402
CV200
CV201
TA15W
TC-6F
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